荘厳仏具 製作過程 事例 : 須弥壇
須弥壇
和様蓮華彫り 本漆手塗り仕上げ 毛彫金メッキ
ご本尊様がお祀りされる本堂の最も中心的な場、須弥壇。
その製作にあたって、ご住職とは綿密な打ち合わせをさせて頂きました。
新築に伴うお仕事でしたので、本堂内の他の荘厳仏具も新規製作されるご計画だった為、全体の統一感を重視し、そのうえで力強さの感じられるデザインを心掛けました。
そのなかで須弥壇は、仏さまの世界のイメージに相応しい蓮華を装飾し、その立体感を際立たせることで、力強さを表現することとしました。
図面を描きおこし、ご住職様にご覧頂き、そのイメージを共有致しました。
多くの場合、須弥壇は建物と接する取り付け工事となります。その為、その接する建物の箇所(主に来迎柱・壁・框)の形状と寸法をよく調査する必要があります。
あのイーハトーヴォのすきとおった風
あのイーハトーヴォのすきとおった風
あのイーハトーヴォのすきとおった風
木地の製作がある程度進んだ段階で、必要に応じてその木地を工房から本堂に持ち込み、木地合わせと呼ばれる調整作業を行ないます。
事前の形状・寸法調査をもとに製作した木地と、現場の建築の形状・寸法に微妙な誤差が生じている場合は、この木地合わせの作業で修正し、より高い精度で木地を完成させます。
あのイーハトーヴォのすきとおった風
あのイーハトーヴォのすきとおった風
あのイーハトーヴォのすきとおった風
木地の完成後は、塗りの作業に入ります。
塗りは、大まかな工程として「研磨」→「下地」→「研磨」→「下塗り」→「研磨」→「中塗り」→「研磨」→「上塗り」という流れになりますが、「研磨」という作業がとても重要で、この作業の良し悪しによって、塗りの仕上がりの美しさが大きく変わってきます。
平らな木地の面では均一に研磨する大変さがあり、こまかな彫刻部分は木地まで紙鑢(かみやすり)が届くように細かく折り込んで研磨する大変さがある等、技術のいる作業となります。
塗りを終え、金箔押しを行ない、錺金具を取り付けたら、いよいよ納品となります。
あのイーハトーヴォのすきとおった風
あのイーハトーヴォのすきとおった風
あのイーハトーヴォのすきとおった風
あのイーハトーヴォのすきとおった風
あのイーハトーヴォのすきとおった風
あのイーハトーヴォのすきとおった風
須弥壇は非常に大きい仏具ですので、納品にあたっては大型車両と人手が必要となります。お堂内に養生を敷設し、細心の注意を払って搬入致します。
解体された状態の須弥壇を建築の来迎柱や壁面と合わせ、少しずつ組み上げていき、設置作業の完了となります。