本堂改築に伴う格天井の彫刻修復事例
お寺の本堂の改築工事に伴い、天井彫刻の修復のお仕事を頂きました。
彫刻の彩色が今にも剥がれ落ちそうになっていたり、既に剥がれ落ちていたりしました。
古くから受け継いだ天井彫刻を、
改装後の本堂でも活かしたいというご住職の希望により、
新しい彫刻を制作するのではなく、
古い彫刻を修復し、改装後の本堂天井に取り付けることになりました。
お寺に訪れた人々が、生まれ変わった新しい本堂の美しさと同時に、
古い本堂の面影と歴史を感じ取って頂ければ幸いです。
【ご紹介のお寺】
日蓮宗 報恩寺 (山梨県身延町)
2016年
修復前
修復後
修復過程
ただ綺麗に塗りなおすのではなく、現状がどのような状態になっているかをよく見極めたうえで、最適な方法を導き出し、作業をおこないます。今回は次のような手順で作業を行ないました。
過程1
彫刻に付着した埃を、彩色が剥がれ落ちないように丁寧に落としていきます。
過程2
虫食いの穴に補強の液体を浸透させて、さらなる虫食いを防ぐ処理をします。
過程3
塗料の浮き上がっている彩色層に樹脂を入れて、接着させる処理をおこない、彩色の剥がれ落ちを防止します。
過程4
既に彩色が剥がれ落ちてしまっている箇所に、再び彩色をおこなうための下地材を塗り込んでいきます。
過程5
下地の表面を平らに整えるための研磨作業を行ないます。
過程6
きれいに整えられた下地の上に、彩色を行ないます。